◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。
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自転車を漕ぎながら、視界がぼやけてくる。
治は、自分が泣いていることに気付いた。
(なんだよ、オレ、もう子供じゃないのに。くそっ! カッコ悪いっ)
四つ角を曲がる。道路が開ける。ハッと息を呑み、涙を拭った。
「虹だ……」
クリアになった世界の鼠色の雲から、大きなプリズムがまるでシャワーのように、地表に向けてゆるやかな弧を注いでいる。
雨上がり、人通りの少ない道を、虹を見ながら漕ぎ続ける。どういった作用なのだろうか。上を向くと、あの人の事を思い出すのだ。
(アカギ、さん……)
めったに笑顔なんて見たことはない。だけど、憧れのその人の顔は、いつも笑っている。思い出に釣られ、彼を真似て、片頬を少し歪めた笑い方をしていたが、あまりうまくいっていない。逆に、そのことに笑ってしまう。
(はは、オレってホント、単純だよな……。さあ、帰ろう!)
自転車のスピードを少し速める。すっと軽くなった胸の中を、爽やかな風が吹き抜けていった。
(了)
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「灰色」と対になる話です。
あいかわらずなグダグダ系。
またこういう話か……って感じ。
好きなんだ。
空眺めたり眺めなかったり覗いたり覗かれたりするのが。