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スケッチ無頼

◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。 ◆閲覧は自己責任でお願いします。リンクフリー。転載などする際は一言お願いします。 ◆福本作品の二次作品中心です。個人ページであり、作者様・関係者様とは一切関係ありません。 ◆作品にならないスケッチあるいは管理人の脳内妄想だだもれ意味不明断片多し注意

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鼓動

【仲井×治】恋人編?
【以下腐要素含みます】


イチャイチャしてるだけ
背景はない!


前回とは別の話ですよ!
ややこしいですね!

しかしお題お借りしたからって、同題で別シチュ書くことないだろうっていう
自己ツッコミ


◇◆◇◆




 昨日までの熱帯夜が嘘のようだった。
 治は、雨の音を遠くに感じながら目覚める。しばらくは目を瞑ったまま、起きようかどうしようか考えていた。
 今日は休日。ゆっくりしていても構わないのだが、薄着で寝ていたせいで手足が冷たくなっているのだ。

(布団、ない……)

 やむなく目を開けると、隣に寝ている仲井が背を向けて、一枚しか無い肌掛けを独占している。裾を引っ張れば、上に乗っていた仲井もごろん、とこちらを向く。しかし仲井の体に巻き込まれたタオルケットは、治の手足まで包むのは無理なようだった。

「布団……」

 治の呼びかけに、仲井は片目を開ける。だが、治の困った顔を見たきり、再び眠ろうとする。

「おい」

 寝起きの掠れ声で呼びかけるが、仲井の目は開かない。

(ったく……。じゃあ、いいよもう)

 治は仲井の方に這い寄ると、こちらに伸ばした腕の中にすっぽりと収まった。反射的に治の頭を抱き、仲井が聞く。

「ん? 何たい」
「寒い」
「あ~?」
「へへ」
「確かに今日はちと冷えるたいね」

 仲井は体を動かし、タオルケットをかけ直した。それから治の腕を擦る。

「冷たか」
「だって仲井が布団とっちゃうからだろ」
「ああ、そりゃすまんたい」

 今度は頭を撫でられながら、治は仲井の胸に頬を押し付けた。

(暖かい)

 肌着を通してぬくもりが伝わると同時に、規則的な鼓動が響いてくる。

「あ……」
「どうしたと」
「心臓の音」
「はあ?」

 「そりゃそうたい」と仲井が馬鹿にしたように言うのを無視し、ごそごそと頭を動かして心音がよく聞こえる場所を探る。初めて意識する他人の鼓動は妙に興味深かった。

「左じゃなくて……ちょっと……真ん中かな?」

 冷えた手足が少し温まったうえに、一定の感覚で刻まれるリズムに耳を預けていれば、目覚めかけた体が、再びまどろみの淵に沈んでいく。

(落ち着くなあ)

 ところが。
 安らぎを奏でていたその音が、やがて大きく荒々しく打ち鳴らされる。「あれ」と思う間もなく、早鐘の如く響き、服の上からも聞こえそうな程となる。治は顔を上げた。

「仲井?」
「治……」

 仲井が治の頬に手をかけると、二人の視線が絡んだ。そのまま、ゆっくりと唇に親指が這い、ぴくん、と治の体が震える。

(オレの胸まで……苦しい)

 湿った声で囁きながら、仲井は治の唇を自分の指ごと啄む。

「ほれ、こそばいから、もう」
「んっ」
「目、覚めてしまうたい」
「ご、ごめん……」
「なに、もっと暖めてやるたい」
「あ……」

 重ねられた二人の体の間で、高鳴った心音が響く。まるで鼓動に包まれているよう。
 もう治には、それが相手のものなのか自分のものなのか、わからなかった。



(了)


お題こちらより頂きました:確かに恋だった
URL:http://have-a.chew.jp/


それは甘い20題
01.鼓動
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