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スケッチ無頼

◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。 ◆閲覧は自己責任でお願いします。リンクフリー。転載などする際は一言お願いします。 ◆福本作品の二次作品中心です。個人ページであり、作者様・関係者様とは一切関係ありません。 ◆作品にならないスケッチあるいは管理人の脳内妄想だだもれ意味不明断片多し注意

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(ラブシーンあり・軽目)





――閉店後の治の店。
遅い夕飯をいっしょに食べた後、治は食器を片付けに厨房に向かった。
店の明かりを落とそうと思った仲井は、外に出て一服する。


満月だった。

月を見ると、心がざわめく。それは多分、あの男を思い出すからだろう。
手練手管をつくした自分の攻撃をあっさりとかわし、全財産をかっ攫った男。

あの勝負のことはそれなりに消化しているつもりだった。しかし時々こうして、波立ってくる感情。
仲井は勝負師である。どこまでも己を試してやろうという思いがあった――あの日までは。しかし限界を知ってしまった。自分はあの男の深さまでは潜れないのだ。

絶対的に勝てない相手が存在する不安。いや、恐怖と言ってもよかった。
闇に君臨する月は、なぜかアカギに似ている。



仲井は室内に戻る。治の横顔を見ていると、急に劣情が湧いてきた。灰皿で吸い差しを揉み消し、後ろから抱きつく。

「何? ちょっと待ってよ」
「待てんたい」

硬くなった自身を押し当てながら治の前方も探る。瞬間、治も小さく息を漏らすが、まだ臨戦態勢になれない。

「やめろって……どうしたんだよ」

仲井は答えず、振り向いた治に口付ける。

治も抗うことはせず、後ろ手でシンクの縁をつかみ、相手の熱に体を任せる。口腔が侵され始め、治自身も仲井に縋りながら舌を絡めると、腰をぐいっと引き寄せられた。愛撫が首筋に移り、治は解放された唇でもういちど尋ねる。


「なあ……、ヘンだよお前、なんかあった?」
「別に」


喉元をそっと甘噛みする。
月のせいだなんて――とても言えないと思った。





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