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エロシーンあり・軽め
一日が終わる。
治は布団に入ったが、まだそれほど眠くなかった。
最近、仲井は顔を見せない。
年末でいろいろ忙しいようなことを言っていたが、たまに来ても、本当にコーヒー一杯で帰ってしまう。卓すら囲まない。治としては、本当は店を手伝って欲しい思いもあるのだが、仲井の生き方に口出しするような真似をしたくない気がしている。
(従業員――雇った方がいいのかなあ)
店の経営についてあれこれ考えていると、ますます目が冴えてくる。
ふと、治は股間に手を伸ばす。自分で弄ろうとパジャマの上から軽く抑える。しかし。
(やっぱり――止めよ)
それほど欲求が溜まっているわけではない。それに、自分でやっても、仲井に与えられるほどの快楽を得られない、ということに気づいてしまっている。
突かれている時のことを思い出すと、少し体が疼くが、そこまで真剣に自慰に興じるといのもの抵抗がある。それよりは仲井としたかった。
(うー……俺……調教……されちゃってるのかな……)
自分の考えにいたたまれなくなり、顔まですっぱり布団に潜る。
ぎゅっと目をつぶり、じっとしていると、冷たかった耳元まで温まってくる。やはり体は疲れていたのだろう。とろとろと眠気が這い寄ってくる。治は小さくあくびをした。
(アカギさん……)
迷った時。
治の基準になるのは、いつでもあの男。
憧れの存在は、一生忘れられない衝撃を残し、去った。
(アカギさんは、こんな風に誰かのこと、想ったり……するんだろうか……)
決して曲げることのない信念。心の強さ。時折見せた優しさ。
絶対無比の孤高の人に少しでも近づきたい、そんな思いを胸に、治は前に進んでいる。
しかし気づけば、独り寝の寂しさに押し潰されそうになっている。
仲井と関係を持つ前は、ここまでの露骨な淋しさは感じなかったハズだが――。
(俺……まだまだですね……)
横を向き、足を曲げる。丸まった体勢になると、気持ちが落ち着く。
(仲井、明日は……来るかな)
暖かい闇に抱かれながら、治は眠りに落ちた。
了
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