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サルベージ月間始まるよーヽ(゚∀゚)ノ
さすがに……ってとこはちょいと手直ししてますが、まあ、大体前にHPにあげたままです。
このテンションで完全なる二次が書けたらいいのにー
まあ、偶然たどり着く人は少ないと思うけど一応注意書き。
【ホモエロ注意】
◇◆◇◆◇
昭和三十三年――。
自ら抱えた借金の棒引きを賭けた麻雀勝負。首の皮一枚というところで南郷は、正体不明の少年、赤木しげるによって窮地を脱する。
しかし、まだ勝負の決着はついていなかった。再戦の約束を取り付け、とりあえずその場は解散となった。
「アカギ。――おい、アカギ! どこ行くんだよ」
嵐の夜は去り、雨はぱらつく程度だった。乾ききっていない服のまま、背を向けて去っていく少年に、南郷は声をかける。アカギは立ち止まり、振り返った。
「うちに来いよ。お前、どうせ、行く当てなんかないんだろう?」
質問に答えず、アカギはただ、目を反らした。勝負中の鬼気迫る表情が、束の間、年相応のそれになった気がした。
「ほら、遠慮するなよ」
ポンポンと肩を叩くと、アカギは少し戸惑ったように言った。
「いいのかい? 俺なんかが行っても厄介なだけだろ」
「何言ってんだい、今更」
南郷の声のトーンが少し落ちる。
「どっちみちお前のせいで俺の命はあと数日かもしれないんだぞ。お前ときたら、まったく、どうかしてる。だが」
南郷は続けた。
「その数日は、お前に拾ってもらったようなものだ。そう、俺たちは言ってみれば一蓮托生じゃないか」
「一蓮托生ね」
アカギはぽつりと呟き、南郷についていく。
◆◇◆◇◆
ギャンブルに身を焦がした独り身の男所帯。お世辞にも綺麗とは言えなかった。
「はは。こんなトコだけどさ、雨露はしのげるからな」
「そうだね」
アカギは素直に同意する。ちゃぶ台の周りには座布団もないが、南郷はアカギを座るよう促した。
「腹減ってないか? 待ってろ、確か何かあった……筈」
台所から南郷が戻ってくると、アカギはその場で横になっていた。
「さすがに疲れただろ? 缶詰あったから食えよ」
食卓の上に所狭しと置かれた空き瓶や、吸殻が山となった灰皿をさっとどけて、食事の用意をする。しかし、再び声をかけても反応がない。アカギは既に眠っているようだった。
(無理もない、か。こいつは今夜、二度も死線を潜り抜けてきたのだから)
自らの死を賭したチキンラン。それを奇跡的に無傷で制し、たどり着いた雀荘では、南郷と「取引」をした上での賭け麻雀。
(俺だって神経が疲弊し、もうくたくただ。ましてや、こいつはまだ……)
そう、アカギはまだ子供なのだ。
寝ている時のアカギは、雀荘で、麻雀のルールを教えてやった時の無邪気なアカギそのものだった。体はもう南郷の肩に並ぶほど成長しているが、まだ大人になりきっていないその顔つきには、中性的な幼さが残っている。
こんな子供に自分の命を託すなんて、俺の方がどうかしてるよな。
頭を掻き、立ち上がって声をかける。
「おい、いくらなんでも風邪引くぞ」
南郷はぶっきらぼうにそう言うと、毛布を引っ張り出してきて、アカギに掛けてやった。
軽い食事を取り、ビールを一瓶開けると、南郷もやっと人心地がつく。
(とにかく俺は生き延びたんだ)
負けが込み、絶望的だった状況。あの時は、状況に変化をくれるなら、例えそれが「魔」でもいいなどと思ったが、実際現れたのは、このアカギ。
確かに悪魔染みた発想と度胸を持っているのは間違いない。しかし。
誰もが目を奪われずにはいられない、白髪。過去に一体どんな地獄を見てきたのか、闇を宿した切れ長の目も、今は閉じられている。そうして見ると、高い鼻筋から頬にかけてのラインには、やはりまだあどけなさが残る。
狂気と同時にこんな一面を秘めていることも事実。
(――不思議なやつだ)
アカギの寝顔を見ながら、南郷は一人、杯を重ねた。
引きっぱなしのカーテンの隙間から、光が差し込む。朝日が入り込んできた。徹夜明けの高揚した気分は去っていた。アルコールと疲れが睡魔と手を組み、南郷を押さえつけ始めた。濁った意識。もう、欠伸も出なかった。
よろよろと立ち上がり、万年床に体を投げ出す。
「アカギー。俺も寝るぞお」
呟くように声を掛け、自分も毛布をかけようと思ったところで、南郷の意識は夢魔にさらわれる。
◆◇◆◇◆
生への活路。それは、ここ連日死と隣り合わせだった南郷の緊張を、束の間、解き放ったようだ。
「?」
充分に寝たわけではないが、南郷はふと目覚める。そして、自分の分身に血流が送り込まれ、硬くなっているのを感じた。久しぶりの朝立ちだった。
(なんだ、俺。まだ、こんな元気あるんだな)
半分寝ぼけた頭で考え、そして少し可笑しくなる。そのまま握り込み、弄ってみたくなるが――。
アカギの存在に気づく。
(そうだった。こいつがいるんだった)
途端にはっとした気分になり、頭のどこかが覚醒する。それでも、本能に根差す情動は抗いがたい。
(拾った命なら、こんな事したって構わないだろう)
音を立てないように、そっと塵紙を用意する。
(そういえば――。
アカギはもう、自慰の味を知っているのだろうか。
俺がコイツくらいの時はどうだったか……。
抑えきれない衝動を持て余しているのではないか?
いや、この見てくれなら、すでに女との経験もあるかもしれないな)
かつて自分の上を通り過ぎた女を「ネタ」にしようとする。しかし、いつの間にかその相手は自分ではなく、アカギになっている。
年上の経験豊富な女性たちに誘惑され、性を収穫されるアカギ。邪気の落ちた従順な顔で、相手に身を委ねる。その表情は、悪魔のそれではない。南郷の妄想の中のアカギは、いとけない姿態をさらして翻弄されている。
(なんだ、俺、さっきから……)
考えるのはアカギのことばかり。
そして、そのことに気づけば、分身はぴくん、と大きさを増す。
(アカギ……!)
思わず心の中で名前を呼んでいるが、自分では気づかない。そして、自分の初体験の頃の感覚を呼び起こす。無我夢中で相手を――肉欲を求めた、あの頃の昂ぶりを追体験する。無意識に感じた疚しさを思い出にすり替え、南郷は欲を放った。
続く……
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