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スケッチ無頼

◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。 ◆閲覧は自己責任でお願いします。リンクフリー。転載などする際は一言お願いします。 ◆福本作品の二次作品中心です。個人ページであり、作者様・関係者様とは一切関係ありません。 ◆作品にならないスケッチあるいは管理人の脳内妄想だだもれ意味不明断片多し注意

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【福本学院】ホワイトデーじゃない

学園パロディです。登場人物仲井→治(→アカギ)。限りなくモブキャラの川島、零、ひろ。

ほーら、やっぱりこうなりましたね。ほんと仲治仲治ばっかり言っててすみません^q^;


ところで。
こんなところでなんですが、なんと!
手ブロでリクエストして描いて頂いたんですよ……仲井と治の絵!
やっぱり仲井はイケメンなんだってばさ。

そんで、仲井が平山、治がアカギのアニメTシャツ着てるんですよvvv
おそろいペアTとか……もう……カップルだろうがっ……!!!!

それにしてもあのTシャツ欲すぃ……ユニクロ、あとはオメエらでやれや!

いきなりの申し入れなのに、RIO.さん、本当にありがとうございました^^
(電波飛ばしときます)



   □■□■



「治はん」
「あ、仲井、おはよう」

――早朝。
家が近い仲井と治は、朝もよく一緒になる。一応学校では先輩と後輩の関係ではあるが、治にとっては幼なじみという気安い間柄でもあった。

「ほら、これ」

仲井が差し出したのは、しゃれた包装の菓子箱。

「何?」
「この間の――チョコの礼たい」
「チョコ……? ああ、あれ」


先月のバレンタインデー。
部室でだべっていた麻雀部の面々は、ビリを取った治に、罰符として大量のチョコレートを買ってこさせたのだった。

「治ッ! お前、ひとっぱしり行って今すぐ買ってこい!」
「え~今からですか?」
「うるさい! 今日食わなきゃ意味ないんだよっ」

先輩風を吹かす二年の川島は、治の苦手な存在である。仲井は先輩後輩ということにはあまりこだわらなかったが、かといって、川島達が治からむしるのを諭すようなことはしない。勝負は勝負、負ける治の不徳である。そこは仲井の口出しすべきところではなかった。
その日も、仲井は治といっしょに打ったわけでない。たまたまその場にいて、余ったチョコをいっしょに食べただけなのだが、律儀にもその御礼だということだった。

「おごられっぱなしは好かん」
「そんなのいいのに」
「そういうのは、きちっとしとかんと」
「相変わらずだなあ、仲井は」

例え相手が誰であっても、タダで人を使うのを好まないのだ。
治はくすっと笑って、受け取った。


□■□■


昼休み。

「アカギさーん、いっしょにお昼食べましょう」

弁当を出そうとしたはずみで、仲井にもらった包みが転がった。

「お、ゴ○ィバじゃない、それ」

近くの席の零に、目ざとくチェックされる。何々? とひろも話に加わる。

「ホワイトデーにチョコレートなんて、気が効いてるね」
「昨日、彼女に渡しそびれたのか?」
「そんなんじゃないよ。お返しにもらったんだ。あ、アカギさん、待ってくださいよ!」

アカギを追いかけて教室を出て行く治。

「もらったって……」
「治ってモテるんだな」
「いや、でもバレンタインじゃないんだから……この場合、どういうことだ?」
「つまり、治が誰かにチョコをあげて」
「誰かって……男かな。やっぱり、バレンタインだし」
「治って……その筋の人か」
「確かに、アッチ系の方にモテそうだな」
「あいつ自身も、アカギさんに相当入れ込んでるしな……あれ?」
「アカギさんは絶対お返しなんてしないよな」
「うん」
「じゃ、だれにチョコ渡したんだ?」
「う~ん」


学年トップレベルの頭脳を持つ二人が推論を重ねるが、状況は不明のまま。
しかし治がガチだということだけは、異論の余地がないようだった。



□■□■


「仲井ー」

放課後、治は帰ろうとしていた背中に追いつく。

「今日は部室行かないの?」
「ああ」

仲井は煙草を銜えたまま行こうとする。

「あ、じゃオレもいっしょに帰るよ。そういや今朝はありがとう」
「別に」
「ホワイトデーだからお返しくれたのか、あれ」

治は軽い調子で聞く。

「そんなわけあるか!」
「なんで怒るんだよ」
「怒っとらんたい……だいたい、今日は十五日たい」
「ん?」

治は少し考えてから答えた。

「ああ、ひろが言ってたな、ホワイトデーって昨日だっけ」
「そうたい。誤解されてもこまるたい」
「はあ? 誤解って?」

仲井は答えず、煙草を吐き出す。

「で?」
「ん?」
「食ったんか?」
「ああ。――食べなかった」
「え?」

ぎょっとしたような顔で立ち止まる仲井。

「なんで?」
「なんでって、オレ、甘いの好きじゃないし。お昼の時、アカギさんにあげちゃった」
「ええっ!?」
「美味しいって言ってたよ、アカギさん。職人芸だって」
「なにたい、それ……」

がっくりと肩を落とし、蒼白な顔つきの仲井に気付かず、嬉々として、敬愛するクラスメイトのことを話し続ける治。

「限定発売……」
「ん? 何か言った?」


一番星がささやかに輝き始める。
夕焼けが、帰路に着く二人の影を色濃く照らし出していた。



(おしまい)
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