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スケッチ無頼

◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。 ◆閲覧は自己責任でお願いします。リンクフリー。転載などする際は一言お願いします。 ◆福本作品の二次作品中心です。個人ページであり、作者様・関係者様とは一切関係ありません。 ◆作品にならないスケッチあるいは管理人の脳内妄想だだもれ意味不明断片多し注意

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電話

ラブシーンあり・がっつり




――深夜。

既に明かりを落とした治の店に、電話のベルが鳴り響く。
電話などめったにかかってこない。しかもこんな時間に誰だと訝りつつ、布団に入りかけていた治は受話器を取った。

「よう」
「あれ? どうしたの」

仲井が電話とは珍しい。いや、初めてかもしれない。確か今日は個人的な賭場で麻雀を打っている筈だった。
新しくできたモダンなホテルが会場だとかで、少し自慢そうに言っていたのだ。

「もうな、終わったとよ」
「そうか……で、どうだったの」
「もちろん勝ったばい」
「良かったなあ」

危険を伴うこともあるホテル麻雀。勝負云々よりも、仲井が無事だということに、治はホッとする。主催にはホテルのオーナー筋の者もいたようで、余裕があればそのまま同じフロアの部屋に一泊できるという。

「それがな、最後にまさかという手が入って……」

要件だけで切るかと思えば、勝負の内容を細かく話しだす仲井。

「なあ、長電話まずいだろ?」
「大丈夫大丈夫、これ、部屋に電話ついとるたい」
「へえ。なあ――仲井?」
「何たい」
「明日は来る? 俺の店」
「ん? ――ああ」

少しだけ沈黙が訪れる。

「なにたい、寂しいんか」
「違うよっ、バーカ」
「ふうん」

仲井は間を置いて言った。

「なあ」
「何?」
「今から、せんか?」
「ん? 何を」

仲井はややあって言う。

「電話の横、ソファあるやろ」
「うん」
「だからな、そこ座って、自分で握ってみ」
「自分で? え……まさか」

治は思わずつばを飲み込む。

「おいの言う通りするたい」
「え、やだ恥ずかしいよ」
「アホか、誰もおらんやろ」
「そりゃそうだけど……」

電話台をずらす音が聞こえたのか、仲井が聞く。

「座ったか」
「ん……」
「じゃあ、ズボン脱いで」
「え~やだよ、ここ寒いもん」
「あ、せやな。じゃ、ちょっとだけ下げるたい」

ただ服に手をかけるだけでも、妙に鼓動が高まる。治はそのまま指示を待った。

「握った?」
「うん」
「勃ってるんか」
「ちょっと」
「なんや、早いばい」
「う~うるさいの。……次は?」

怒ったように甘える。

「先っちょぬるぬるしてんのか」
「まだ」
「じゃ、そっとシゴくたい」

言われたとおりにすると、すぐに先走りが溢れる。濡れるのが心配になった治は、内腿あたりまで、下着をずらした。
擦りながら尋ねる。


「ね、仲井は?」
「あ?」
「俺と……同じ?
「あ、ああ」
「気持ちいい?」
「気持ちいい」

(そっか)

相手はどんな格好をしているのか?
俺のこと想像して、興奮しているのか?
今のオレと同じように?

もどかしいような、煽られ昂るような感覚。受話器を通すと、普段は言えないことも、言ってしまいそうでどこか怖かった。


「ね、もっと気持ちよくして?」
「――わかったばい。――自分で入れられるか? 後ろ」
「えっ。うん」
「ちゃんと舐めてからたい」
「っ!」

握っていた手を離し、そっと口に含む。自分のものとは言え、かすかに雄の匂いが漂う。しかし、それが仲井のものと考えると、一人昂ぶってしまう。

いつもされているように、自らの口腔をなぞる。迎える舌で指の股までしゃぶる。それから足を開き、前からそっと自分の穴を解す。

「入れたんか?」
「う、ん」
「動かせる?」

この指は知っている。どこが蕩ける場所なのか。こみ上げる快楽。治は堪らずソファに横になる。

「ん?」
「仲井、だめ、俺……」
「いきそうか?」
「ん……あ、でも前も擦っていい?」
「しょうがないたい」

仲井に許可を求め、指示に従う。それすらも快楽を高めている。無意識のうちに、そんなマゾヒスティックな思いに酔う。

治は寝そべったまま、ソファに置かれた受話器に擦り寄るように、耳を寄せた。
後ろから射精を急かされ、治の前方は限界が近づく。

(あ、オレ、このまま出ちゃう、かも)

一瞬、後始末の心配が頭をよぎるが、もう猶予はなかった。

「治はん」
「あっ……えっ……あん……」

自分を呼ぶ湿った声が耳朶を打つと、すぐにでも爆発しそうになる。思わず、ぎゅっと先端を握りしめて堪える。

「はぁ……はぁ……なかい……ね、俺、いっちゃう」
「いっていいたい……なあ名前、呼んで」

(名前……?)

「な、治……っ……はぁ……」

普段は意識したことのない仲井の呼気。受話器を通すとはっきりと聞こえてくる。その声が鼓膜に響くと、これ以上無いくらいに、全身が火照る。

「はぁ……っく……はぁ……」
「んっ……なか、い?」

仲井の呼吸が荒くなり、それに合わせるように治も手首を動かす。
先端を解放させて、もう一度擦り出せば、絶頂はすぐにやってきた。治は耐えきれずに相手を呼んだ。

「あぁっ……じゅ、純平っ! じゅ……ん……」
「……! 治っ……」

自分を呼ぶ切ない声に押され、行き場のない精が下着の中で弾けた。



□■□■


「――仲井、聞いてる?」

再び身支度を整え、治は受話器を取った。

「もちろんたい」
「気持ちよかったけど」
「ん」
「俺、仲井のそば……行きたい」

隣にいれば、何も言わなくても通じる気がするのに、電話だと、なぜかもっと話さなくてはいけないような気持ちにさせられる。心の底にあった思いを、無理矢理引き出すような気持ちに。


「会いたいよ」
「治……」

しばらく目をつむり、受話器を両手で抱える。治は明るく言った。

「もう寝ようか?」
「――せやな。じゃあ、もう、切るたい」
「わかった。――おやすみ」
「ああ」


電話を切ってからも、治はしばらくそこに座っていた。
ぼんやりと、自分が言った言葉の意味を考えていた、が――。

「ふわぁーあ……」

眠気には勝てず、布団に戻っていった。



□■□■


――明くる日。
まだ営業時間前に店のドアが開く。

「仲井!」

手に菓子折りを持って入ってくる。

「早いね」
「ん、ああ。まあな」
「なんだよ、俺に逢いたくなったのか?」
「アホっ、そんなやなか」

目を逸らし、土産といっしょに、紙切れを手渡す。

「ん? なにこれ」
「請求書――おいと折半するたい」
「はあ?」
「電話代!」


見ればとんでもない値段。優に三十分以上『会話』をしていたのだから、当然と言えば当然であるが――。


「なんだよこれ~! オレ聞いてないぞ!!」
「男は細かいこと言うんじゃなか」
「お前が……言う……」

紙切れを振り上げた腕と腰を掴まれ、文句を言う口が塞がれる。
夕べなぞったように、仲井の舌が治を嬲る。

「……んっ……」

解放された時、治は言う。

「なあ、オレ、やっぱり……直接やった方がいいな」
「せやな――これならタダたい」
「お前ね……。でもホントだ」


治は笑い、自分からもう一度唇を重ねた。



(おしまい)
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