◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。
◆閲覧は自己責任でお願いします。リンクフリー。転載などする際は一言お願いします。
◆福本作品の二次作品中心です。個人ページであり、作者様・関係者様とは一切関係ありません。
◆作品にならないスケッチあるいは管理人の脳内妄想だだもれ意味不明断片多し注意
ラブシーンあり・軽め
雲は白。
空は青。
夕方だったらオレンジか。
そう決まっていると思っていた。
――だが、ここから見る空は。
もうすぐ日が暮れるというのに。
いつまで経っても水色だった。
それから、なぜか雲だけが薄い桃色に光っている。
「何、いつまで見とるたい」
後ろから腕が伸び、俺を包む。少し冷えてきた肩に、仲井の肌が気持ちよかった。
俺は相手の手首を掴み、自分の腕を重ねた。それから、ちょっとそっちを見て教えてやった。
「面白いなって思ってさ――ほら、雲がピンク色なんだ」
だが仲井は、なんだそんなことか、という顔をする。
「治はんはめでたい人ばい、ホンマに」
「なんだよそれっ、またバカにして」
――こいつはいつもそうなんだよ。何でも知ってるって顔でさ。――そのくせ、妙にロマンチストというか純情というか。
面と向かって文句を言うつもりで振り向こうとした。
だが仲井は、俺の耳を軽く噛んでそうさせなかった。
「……っ」
「それに」
そのまま後ろから首筋を弄ぐられる。少しくすぐったい。
「やっ……」
「あれは東雲色」
「しのの……め?」
「夜明けってことたい」
「夕方なのに……ヘン、なの」
――やっぱり、変なことはよく知ってるんだよな。だけど。
肩がもう一度、冬の空気にさらされた。生暖かい唇がゆっくり這うのを感じながら俺は考えていた。
――夜明けには、実際はどんな色になるんだろう。
俺がたどたどしく尋ねると、仲井は言った。
「自分で見れば――いいたい」
そりゃ、そうだけどさ……。
そっと倒され背をつく。覆いかぶさった仲井は俺の口をさんざん嬲る。俺も我知らず応えている。
「んっ……」
ふと解放された瞬間、もう一度窓の方を眺めれば、灰色が濃さを増し、空は夜に向かっていた。
この部屋から見る、俺だけの色。
朝までいっしょに見たい――そんなことを言ったら、こいつはどんな顔をするだろうか。
(了)
PR