◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。
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ラブシーンあり・軽め
昔、サンプルとしてHPに上げていた作品を引っ張り出してきた^^;
まだfkmtにはまってなかったのに、ナチュラルに受けの名前がおさむになってた不思議
名前変えて手直しして、セリフだけは仲井弁にしてこっちに上げよう! とやってみたが……
そのまま上書きしちまった! うぇwwうぇwwww
提出するときはまた書き直すー↑q↑
いろいろ突っ込みどころの多い作品だけど、遠慮せずに突っ込んでくれていいのよ^^
学パロのパラレルかな……やっぱカテゴリ無しでおねがいします
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短気な実験台(BL・甘甘・幼馴染・学生×学生・一人称・攻め視点)
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「純平……俺、やっぱりダメそう――」
幼馴染の治が、『その手の相談』を俺にしてくるのは初めてじゃなかった。
放課後の体育館だった。バスケ部の当番だった俺たちは、倉庫で用具の手入れをしていた。
治は小さい頃から近所でも評判の美少年。その見てくれに惹かれた女は数知れず――だったが、ついに治は、学年のアイドルと称される後輩に告られ、付き合い始めたのだ。
でも、俺は知っていた。
女兄弟に囲まれて育った治が、女に対して苦手意識を持っていることを。
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「俺、今、女の子と付き合ってるんだけど」
「知っとう」
「――なあ、純平」
「ああ?」
「キスの仕方、教えてくれよ」
「はあ?」
「純平なら知ってるだろ? ――タイミングってかさ、手順というか……順番? 俺わかんなくて」
「知るかい。大体、そんなん雰囲気で何ちゃなろうがっ!
「雰囲気って? なんか妹相手にしてるみたいでさ……。まず二人で見つめ合ったりするよな、それから? 手は先に握ってた方がいいかな?」
手を握り、至近距離に迫ってくる治。真剣な眼差しが熱を帯びて俺を見上げる。
二人きりの時間。かつて何度もこんなじゃれ合いはあった。なのに、どうしてその時は抑えられなかったのか。長年秘めていた欲望が爆発した。
「あーもう、まどろしか! こうやるたいっ!」
そう言って、治をマットに押し倒した。それが始まりだった。
両手首を押さえつけて、強引に唇を貪った。初めはびっくりして離れようとしていた治も、俺が舌を突っ込んで掻き回していたら、力が抜けてきた。
「……は……ぁ……」
掠れるような熱っぽいような治の声に、はっと我に返る。
(あいたぁ、おい、つい本気に)
「あ、悪か」
一瞬ぽかんとした治は、
「すげ……純平ってやっぱりテクニシャンなんだ……俺、頭がぼーっとしちゃった」
(テクニシャン? おいはお前を好いとーと、だけん、ただのぼせて――)
でも、そんなこと言えるハズもなかった。俺は呟いた。
「ほうか」
「もっと、教えてくれ。俺も覚えたいからさっ」
「つまり……おいは、実験台ってことたい……」
あの日から、俺と治の秘密の特訓が始まったのだった。
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「――なんだかさ、俺といてもあんまり楽しくないみたいでさ」
天下御免で治と二人きりになれるというのになんと贅沢な……俺は「彼女」への嫉妬で気が遠くなりそうだった。でも、今は――俺が治を独占できる時間だった。ざまーなか。
「ダメたい、治は。おいがこうして教えてやっとーに」
マットに腰掛けてバスケットボールを磨く治の頭をそっと寄せて口付ける。
「……んっ、止せ――よ。練習しても、キスなんかできる雰囲気じゃないんだ……」
そう言いつつも、既に治は俺が触れることに慣れていた。唇を重ねると、そこだけは俺を素直に受け入れてくれる。すぐに夢中になるところも、可愛らしかった。
「全然……上達、してなかとね」
「……あ……っ……」
最近は治の方も舌を絡めてくるようになったが、やっぱりどうもぎこちない。そんなところも俺にとっては――十分そそられるのだが。
唇が離れると、俺と治を繋いでいた唾液の糸が切れ、少し開いた口の端を濡らす。恍惚とした顔を見ていると、嗜虐的な欲望がムラムラと沸いてくる。
(そんなやらしい顔、おい以外に、見せるんじゃなか)
言えない心の声。体を重ねたら鈍いコイツにも届くんじゃないか、なんて馬鹿げた幻想を抱く。
気づいたら俺は初めてキスをしたときのように、強引に押し倒し、治の手首を押さえつけていた。
「じっ、純平……?」
「オナゴはな、ワイルドな男じゃなかとダメたい」
「え。――ああ、やっぱりそうだよな……。治先輩って案外紳士なんだねーって言われたんだけどさ、それって、もっと強引に行っちゃっていいってことだよな?」
(――知るかい。なんぞこの体勢で、そんなこと言えるたい? 天然にも程があると)
でも、俺には言えなかった。
(そ、おいは実験台たい。我を忘れてどげんすると)
見えないけれど決して破れない、一枚の薄い膜が、俺たちの間を隔てているのだ。 努めて冷静を装ってアドバイスする。
「よかよ、よか。やっぱ、イキオイが大切たい」
言ったら、この関係が終わってしまう。だったら、言わないほうがいい。こうして治に触れていたい。ほかの誰でもない、俺の手によって――気持ちよさそうにしている治の顔、見ていたい。
「イキオイ……って」
「ああ、こんな感じばい」
片足で膝を割り、上体を伸し掛ける。もう一度、唇を嬲ろうとしたとき、腿が治の股間に当たった。
「ん――?」
思わず右手で弄っていた。治のそこは、カチカチになっている。なぜか嬉しくなってしまう。
「ばっ、馬鹿っ、触るな!」
「キスで感じとうか? お前、ホンマは男の方が向いてるんじゃなかとね?」
「だったら」
治は赤い顔で口ごもる。
「あ?」
「――何でもない。馬鹿なこと……言うなよ」
「馬鹿――たい、ホンマに」
そう。馬鹿みたいだった。こんな恋、叶わないってわかっている。いつだって一番傍にいたけれど、絶対に縮まらない、この距離は。
(――だったら、楽しむくらいよか)
俺は誰に対するものかわからない言い訳をした。
「純平……?」
「せなら、こっちはどうたい?」
右手を治のTシャツの下に滑り込ませ、柔らかい突起を抓るように揉む。
「ひぁっ……やめ……」
「ここが感じるんたい――おなごは」
抵抗しようとする治に、卑怯な言葉を投げかける。
「えっ……あっ、そっ……か……」
俺の言葉に納得したのか、治は振り払おうとした手を止める。シャツをたくし上げ、硬くなりつつある突起を、親指で下から持ち上げる。うすい色の乳首にそっと吸い付くと、治は身を捩った。
「! ……純平……い、やだ――そ……れ」
舌で舐めつつ、少し歯を立てる。コリっという音が、静かな用具室に響いたのは気のせいだったか。
「あっ!……やっ――」
腿の下に密着した治の股間が、ニョクっと硬さを増した。顔を上げ、治に言う。
「男も――感じるとばい」
治は少し泣きそうな顔をしている。
「気持ちよかか?」
治は答えない。
「なにたい、黙ってちゃわからんと?」
「……純平の――バカッ!」
「え?」
「俺、俺……一生懸命、がんばろうと……」
「は?」
「女の子と付き合って……それで、ちゃんと、男として認めてもらおうと思って」
「ああ、――ん……」
治の言わんとしたことはわかってる。
いつも姉さんたちのおもちゃになっていた治。だから、彼女とうまくやれるかどうかってことに、こいつの男としてのプライドがかかっている。そう、治は治なりに必死だった。
(それなのに、おいは、自分のことばかり――。治を好いとーのに、こいつの気持ち考えんと、欲望を優先させて――。やりすぎたい)
「すまん。おいは……」
しかし、治は俺の謝罪を遮って、浮かされたように話し続けた。
「純平にそんな風にされたら……」
「治……」
「そんなに気持ちよくされたら……」
「?」
「俺、我慢できなくなっちゃうだろっ!」
「あの。治……はん?」
治は起き上がり、真剣な顔で言った。
「純平、俺のこと、好きか?」
「えっ?」
(ちょ、何たい、その直球質問……)
「あ、ああ――」
(そりゃ好いとうよ。おいはお前のこと、ずっとずっとずーっと好いちょった。
せやけど、そげんこつ言えるハズなかと……っておい、言わされとるばい!)
「そっか」
治はほわっとした顔をする。そして、言った。
「俺も好き」
(え。ちょっと待つたい。やけんお前、彼女が)
しかし、甘い顔は一瞬で消え、治は再び真面目な顔になった。そして続けて確認する。
「だけど。純平は俺のこと、友達として……、好きなんだよな?」
「え?」
(あ、いや、そうじゃなか。そうじゃなかばってん。――ああ。治は……そげんか。だけん、そんなこと聞くんか? なにたい)
いい加減じれったくなってくる。
「はっきりさせちゃるばい」
治を睨みつける。治はちょっと怯む。でも、構わないと思った。
「おいは治を好いとう。ずっとずっと好いちょった。友達としてじゃなか。治とヤりたい思っちょった」
俺のイキオイに押されてか、治は黙っていた。
「だけん、そげんこつ言えるわけなかよ? お前には彼女できたばい。おいは男たい」
(あーあ、言うてしもたばい。もうどうでん構わんと)
「正直言うて、キスだけでもできてラッキーたい。所詮は――実験台ばってん」
俺は言い捨てた。
「純平……」
「あーそうたい、おいキモチワルカね。男やけん、治に欲情してるたい。触りもしとらんのに、チンコおっ勃ててるたい」
なんだか、もう自棄だった。鼻の奥がツンとした。
「純平!」
「ん――?」
「俺と――ヤりたいって――ホント?」
治の目は真剣だった。もう一度肯定したら、友情もここまでかもしれない。でも、今更取り繕う気も起きない。正直に言った。
「……ああ」
しばらく沈黙が続く。俺は耐え切れず、ぷいっと横を向いた。しかし、治は俺から視線を逸らさないようだった。いったいどんな目で俺のことを見ているのか、確かめるのが怖かった。
そして治は、おずおずと言った。
「俺もそういう自分、おかしいと思ってた。純平とHしたいって思う自分――」
「は――?」
信じられない言葉に、思わずもう一度、治を見る。
「純平はモテるから、いろいろ経験豊富だし、俺とこういうことしてても、全然動じないっていうかさ」
「それは……」
お前の勘違いだって――という言葉を、俺は呑み込んだ。
「だから俺も頑張って、純平みたいになろうと思って、苦手な女の子とも付き合ったけど――」
「俺、みたいに……?」
「やっぱり無理だった。彼女にも、見透かされてた。『私より、仲井先輩といる方がいいんでしょ?』って。悪いことしちゃった……だから最初から……ちゃんと言えば良かった」
俺は治の頬にそっと触れた。
「ホンマ、か……?」
(ホンマか? ホンマに、おいと――同じ気持ち、なのか)
治はうなずく。
「純平が好きだって。友達としてじゃなく……好きなんだって」
俺はもう、躊躇しなかった。
「……んっ……」
実験台じゃない。本当の――キス。
俺と治を隔てていた、薄い膜が取り払われた瞬間だった。
(おしまい)
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