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スケッチ無頼

◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。 ◆閲覧は自己責任でお願いします。リンクフリー。転載などする際は一言お願いします。 ◆福本作品の二次作品中心です。個人ページであり、作者様・関係者様とは一切関係ありません。 ◆作品にならないスケッチあるいは管理人の脳内妄想だだもれ意味不明断片多し注意

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sample002

ラブシーンあり・軽め



昔、サンプルとしてHPに上げていた作品を引っ張り出してきた^^;

まだfkmtにはまってなかったのに、ナチュラルに受けの名前がおさむになってた不思議

名前変えて手直しして、セリフだけは仲井弁にしてこっちに上げよう! とやってみたが……
そのまま上書きしちまった! うぇwwうぇwwww
提出するときはまた書き直すー↑q↑


いろいろ突っ込みどころの多い作品だけど、遠慮せずに突っ込んでくれていいのよ^^
学パロのパラレルかな……やっぱカテゴリ無しでおねがいします





□■□■

短気な実験台(BL・甘甘・幼馴染・学生×学生・一人称・攻め視点)

□■□■






「純平……俺、やっぱりダメそう――」

幼馴染の治が、『その手の相談』を俺にしてくるのは初めてじゃなかった。
放課後の体育館だった。バスケ部の当番だった俺たちは、倉庫で用具の手入れをしていた。
治は小さい頃から近所でも評判の美少年。その見てくれに惹かれた女は数知れず――だったが、ついに治は、学年のアイドルと称される後輩に告られ、付き合い始めたのだ。

でも、俺は知っていた。

女兄弟に囲まれて育った治が、女に対して苦手意識を持っていることを。


□■□■


「俺、今、女の子と付き合ってるんだけど」
「知っとう」
「――なあ、純平」
「ああ?」
「キスの仕方、教えてくれよ」
「はあ?」
「純平なら知ってるだろ? ――タイミングってかさ、手順というか……順番? 俺わかんなくて」
「知るかい。大体、そんなん雰囲気で何ちゃなろうがっ!
「雰囲気って? なんか妹相手にしてるみたいでさ……。まず二人で見つめ合ったりするよな、それから? 手は先に握ってた方がいいかな?」

手を握り、至近距離に迫ってくる治。真剣な眼差しが熱を帯びて俺を見上げる。
二人きりの時間。かつて何度もこんなじゃれ合いはあった。なのに、どうしてその時は抑えられなかったのか。長年秘めていた欲望が爆発した。

「あーもう、まどろしか! こうやるたいっ!」

そう言って、治をマットに押し倒した。それが始まりだった。
両手首を押さえつけて、強引に唇を貪った。初めはびっくりして離れようとしていた治も、俺が舌を突っ込んで掻き回していたら、力が抜けてきた。

「……は……ぁ……」

掠れるような熱っぽいような治の声に、はっと我に返る。

(あいたぁ、おい、つい本気に)

「あ、悪か」

一瞬ぽかんとした治は、

「すげ……純平ってやっぱりテクニシャンなんだ……俺、頭がぼーっとしちゃった」

(テクニシャン? おいはお前を好いとーと、だけん、ただのぼせて――)

でも、そんなこと言えるハズもなかった。俺は呟いた。

「ほうか」
「もっと、教えてくれ。俺も覚えたいからさっ」
「つまり……おいは、実験台ってことたい……」

あの日から、俺と治の秘密の特訓が始まったのだった。


□■□■


「――なんだかさ、俺といてもあんまり楽しくないみたいでさ」

天下御免で治と二人きりになれるというのになんと贅沢な……俺は「彼女」への嫉妬で気が遠くなりそうだった。でも、今は――俺が治を独占できる時間だった。ざまーなか。

「ダメたい、治は。おいがこうして教えてやっとーに」

マットに腰掛けてバスケットボールを磨く治の頭をそっと寄せて口付ける。

「……んっ、止せ――よ。練習しても、キスなんかできる雰囲気じゃないんだ……」

そう言いつつも、既に治は俺が触れることに慣れていた。唇を重ねると、そこだけは俺を素直に受け入れてくれる。すぐに夢中になるところも、可愛らしかった。

「全然……上達、してなかとね」
「……あ……っ……」

最近は治の方も舌を絡めてくるようになったが、やっぱりどうもぎこちない。そんなところも俺にとっては――十分そそられるのだが。
唇が離れると、俺と治を繋いでいた唾液の糸が切れ、少し開いた口の端を濡らす。恍惚とした顔を見ていると、嗜虐的な欲望がムラムラと沸いてくる。

(そんなやらしい顔、おい以外に、見せるんじゃなか)

言えない心の声。体を重ねたら鈍いコイツにも届くんじゃないか、なんて馬鹿げた幻想を抱く。

気づいたら俺は初めてキスをしたときのように、強引に押し倒し、治の手首を押さえつけていた。


「じっ、純平……?」
「オナゴはな、ワイルドな男じゃなかとダメたい」
「え。――ああ、やっぱりそうだよな……。治先輩って案外紳士なんだねーって言われたんだけどさ、それって、もっと強引に行っちゃっていいってことだよな?」

(――知るかい。なんぞこの体勢で、そんなこと言えるたい? 天然にも程があると)

でも、俺には言えなかった。

(そ、おいは実験台たい。我を忘れてどげんすると)

見えないけれど決して破れない、一枚の薄い膜が、俺たちの間を隔てているのだ。 努めて冷静を装ってアドバイスする。


「よかよ、よか。やっぱ、イキオイが大切たい」

言ったら、この関係が終わってしまう。だったら、言わないほうがいい。こうして治に触れていたい。ほかの誰でもない、俺の手によって――気持ちよさそうにしている治の顔、見ていたい。

「イキオイ……って」
「ああ、こんな感じばい」

片足で膝を割り、上体を伸し掛ける。もう一度、唇を嬲ろうとしたとき、腿が治の股間に当たった。

「ん――?」

思わず右手で弄っていた。治のそこは、カチカチになっている。なぜか嬉しくなってしまう。

「ばっ、馬鹿っ、触るな!」
「キスで感じとうか? お前、ホンマは男の方が向いてるんじゃなかとね?」
「だったら」

治は赤い顔で口ごもる。

「あ?」
「――何でもない。馬鹿なこと……言うなよ」
「馬鹿――たい、ホンマに」

そう。馬鹿みたいだった。こんな恋、叶わないってわかっている。いつだって一番傍にいたけれど、絶対に縮まらない、この距離は。

(――だったら、楽しむくらいよか)

俺は誰に対するものかわからない言い訳をした。

「純平……?」
「せなら、こっちはどうたい?」

右手を治のTシャツの下に滑り込ませ、柔らかい突起を抓るように揉む。

「ひぁっ……やめ……」
「ここが感じるんたい――おなごは」

抵抗しようとする治に、卑怯な言葉を投げかける。

「えっ……あっ、そっ……か……」

俺の言葉に納得したのか、治は振り払おうとした手を止める。シャツをたくし上げ、硬くなりつつある突起を、親指で下から持ち上げる。うすい色の乳首にそっと吸い付くと、治は身を捩った。

「! ……純平……い、やだ――そ……れ」


舌で舐めつつ、少し歯を立てる。コリっという音が、静かな用具室に響いたのは気のせいだったか。

「あっ!……やっ――」

腿の下に密着した治の股間が、ニョクっと硬さを増した。顔を上げ、治に言う。

「男も――感じるとばい」

治は少し泣きそうな顔をしている。

「気持ちよかか?」

治は答えない。

「なにたい、黙ってちゃわからんと?」
「……純平の――バカッ!」
「え?」
「俺、俺……一生懸命、がんばろうと……」
「は?」
「女の子と付き合って……それで、ちゃんと、男として認めてもらおうと思って」
「ああ、――ん……」

治の言わんとしたことはわかってる。
いつも姉さんたちのおもちゃになっていた治。だから、彼女とうまくやれるかどうかってことに、こいつの男としてのプライドがかかっている。そう、治は治なりに必死だった。

(それなのに、おいは、自分のことばかり――。治を好いとーのに、こいつの気持ち考えんと、欲望を優先させて――。やりすぎたい)

「すまん。おいは……」

しかし、治は俺の謝罪を遮って、浮かされたように話し続けた。

「純平にそんな風にされたら……」
「治……」
「そんなに気持ちよくされたら……」
「?」
「俺、我慢できなくなっちゃうだろっ!」
「あの。治……はん?」

治は起き上がり、真剣な顔で言った。

「純平、俺のこと、好きか?」
「えっ?」

(ちょ、何たい、その直球質問……)

「あ、ああ――」

(そりゃ好いとうよ。おいはお前のこと、ずっとずっとずーっと好いちょった。
せやけど、そげんこつ言えるハズなかと……っておい、言わされとるばい!)

「そっか」

治はほわっとした顔をする。そして、言った。

「俺も好き」

(え。ちょっと待つたい。やけんお前、彼女が)

しかし、甘い顔は一瞬で消え、治は再び真面目な顔になった。そして続けて確認する。

「だけど。純平は俺のこと、友達として……、好きなんだよな?」
「え?」

(あ、いや、そうじゃなか。そうじゃなかばってん。――ああ。治は……そげんか。だけん、そんなこと聞くんか? なにたい)

いい加減じれったくなってくる。

「はっきりさせちゃるばい」

治を睨みつける。治はちょっと怯む。でも、構わないと思った。

「おいは治を好いとう。ずっとずっと好いちょった。友達としてじゃなか。治とヤりたい思っちょった」

俺のイキオイに押されてか、治は黙っていた。

「だけん、そげんこつ言えるわけなかよ? お前には彼女できたばい。おいは男たい」

(あーあ、言うてしもたばい。もうどうでん構わんと)

「正直言うて、キスだけでもできてラッキーたい。所詮は――実験台ばってん」

俺は言い捨てた。

「純平……」
「あーそうたい、おいキモチワルカね。男やけん、治に欲情してるたい。触りもしとらんのに、チンコおっ勃ててるたい」

なんだか、もう自棄だった。鼻の奥がツンとした。

「純平!」
「ん――?」
「俺と――ヤりたいって――ホント?」

治の目は真剣だった。もう一度肯定したら、友情もここまでかもしれない。でも、今更取り繕う気も起きない。正直に言った。

「……ああ」

しばらく沈黙が続く。俺は耐え切れず、ぷいっと横を向いた。しかし、治は俺から視線を逸らさないようだった。いったいどんな目で俺のことを見ているのか、確かめるのが怖かった。

そして治は、おずおずと言った。

「俺もそういう自分、おかしいと思ってた。純平とHしたいって思う自分――」
「は――?」

信じられない言葉に、思わずもう一度、治を見る。

「純平はモテるから、いろいろ経験豊富だし、俺とこういうことしてても、全然動じないっていうかさ」
「それは……」

お前の勘違いだって――という言葉を、俺は呑み込んだ。

「だから俺も頑張って、純平みたいになろうと思って、苦手な女の子とも付き合ったけど――」
「俺、みたいに……?」
「やっぱり無理だった。彼女にも、見透かされてた。『私より、仲井先輩といる方がいいんでしょ?』って。悪いことしちゃった……だから最初から……ちゃんと言えば良かった」

俺は治の頬にそっと触れた。

「ホンマ、か……?」

(ホンマか? ホンマに、おいと――同じ気持ち、なのか)

治はうなずく。

「純平が好きだって。友達としてじゃなく……好きなんだって」

俺はもう、躊躇しなかった。

「……んっ……」

実験台じゃない。本当の――キス。
俺と治を隔てていた、薄い膜が取り払われた瞬間だった。



(おしまい)
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