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スケッチ無頼

◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。 ◆閲覧は自己責任でお願いします。リンクフリー。転載などする際は一言お願いします。 ◆福本作品の二次作品中心です。個人ページであり、作者様・関係者様とは一切関係ありません。 ◆作品にならないスケッチあるいは管理人の脳内妄想だだもれ意味不明断片多し注意

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赤いネオンが流れていったのを最後に、車窓の外には何も見えない。人家の明かりもないということは、畑か田んぼでも広がっているのだろうか。暗い窓には自分の顔が映る。


仲井は地方の好事家によって開かれる賭場に向かっていた。毎日雀荘に入り浸っていれば、時には高レートの勝負へ声がかかることもある。
ヤクザ連中が混じることもあるし、もっとタチの悪いやつらもいる。後ろ盾のない仲井にとって、そういった面子と打つ危険は百も承知だが、身一つの気軽さで、呼ばれればどこへでも行く。
大抵は金でカタがつく話のわかる連中だが、血の気の多い者はそれではきかない。

しかし、そんなのは範疇だった。
もちろん仲井とて命は惜しい。少々危ない橋を渡るのは仕方がないが、兎にも角にも命と金。それさえあれば、なんとでもなると思っていた――これまでは。


深刻な己の顔を見れば、思わず笑いがこみ上げる。

(――大仰やな。まるで死地にでも赴くようたい)


自嘲的に嘯くが、自分でも気づいていた。
勝負に対する心構えがまるで違う。

決着のその先に。
帰りたいのだ。勝って。
あの男のもとへ。

また一つ、自分は欲深くなったようだ。



窓の向こうには、再び明かりがちらついてくる。
自分の顔がぼやけたと思った時、のんびりした声のアナウンスが聞こえた。
もうすぐ到着だった。



(了)
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