◆男性同士の恋愛(エロ含む)などを扱っております。
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「いらっしゃい」
「世話になるよ」
治の雀荘に、見知った顔が何人かと連れ立って入って来た。
席につこうとした男に、後ろから背中をつつき、こっそりと囁く。
「なあ、仲井は?」
この男と仲井はイカサマの『ぐる』である。一応、治の店では表立った悪さを禁じているが、仲井と通じていることはあくまで内緒なのだ。
「あれ、知らないの? 今やつ、遠征中よ」
「そうなのか?」
「どっか南の方行くって」
「――ふうん」
表情が少し曇る。仲井と治とのことは、常連にはそれとなく通じている。男はからかう口調になった。
「なんだ店長、そんなに寂しいなら、俺が慰めてやるよ。くくく……」
「ばーか、言ってんなよ」
「だって、顔がひきつってるもの」
「この顔は生まれつきだよっ」
軽口であしらいつつも、仲井が近くにいないという事実は、治を本当に寂しい気持ちにさせる。 おしぼりを持って行き、飲み物の注文を受けながらぼんやり思う。
(どうしてなんだろう)
お互いに、別の道を行く二人。
仲井は治のやることなすこと、いつも細かく言うのだが、自分のやっていることについてはあまり語らないし、治も聞こうとしなかった。
住んでいるところは知っている。しかし、それだけだ。年すら知らない。会って話す内容は、大抵麻雀のこと。
(そんな恋人ってないよな)
本当に。
自分は仲井のなんなのだろう。仲井にとって自分はなんなのだろうと思う。
そばにいれば、体を重ねていれば。
余計なことは考えずに済むのに。
(う~ん。もしかして俺、仲井が心配なのか……?)
自分の気持ちを言葉に置き換えようとするが、どうもうまくいかない。
(俺頭悪いのに……あんまり……悩ませるなよな……)
治は、ついに溜息をついた。
「――あ、そうだ」
ヤカンに水を汲み、カウンターの花の隣に置く。
仲井がこの店に持ってきたものだった。後で聞いたところ、大勝ちしたご祝儀に持ってきてくれたとのことだった。
枯れた花を摘むと、少しだけさっぱりする。それから根元にちょろちょろと水をかける。
(今度もお土産……持ってこなかったら承知しないぞ……)
治の口元は、少しだけ緩んだ。
(了)
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はやく治んのとこに帰って愛してあげてください・・!
とかいって治の雀荘の名前が「雀荘アカギ」とかだったらおもしろいですよねw
みるたび仲井へこむとか・・
素敵な名前だと+.゜(*'v`)゜+.゜イィ